とんぼ玉を調べると、古代貿易のルートが解明できます。
- 3000年も前から、天然の宝石には見られない美しい色や文様を付けられたガラス玉は、古代メソポタミヤや古代エジプトで創られ始め、中世・近世・近代・現代と途切れなく新しい意匠が作り続けられ、作った時代や場所や個性が反映されて独自の表情を持っており古くから世界各地に輸出されてきました。 今日現存しているそれらのとんぼ玉を調査してゆくと、交易のルートや交易関係を明白に裏付けることができます。
古いとんぼ玉には名前がある。
- とんぼ玉には、産地を名前としたもの、発見された場所の名前を付けたもの、文様から付けたもの、作られた時代名をつけたものなどがあります。
日本のとんぼ玉
- 正倉院玉 →正倉院には現在24万余個の玉類が残されており、玉造り方法を克明に記録した文章や作った記録が現存しています。またわが国には西アジア・エジプト・アレキサンドリアなどで作られた玉が出土しています。 江戸とんぼ→近世に入り、長崎のオランダ出島からオランダ玉が輸出され、わが国でも玉造りが長崎そして大阪・江戸に伝わり、ガラス職人により、根付け・帯留などとして作られた。 アイヌ玉→北海道のアイヌが宝として伝えたガラス玉のことで、その多くは江戸とんぼでしたが、オランダ玉・ロシア玉・清時代の中国玉なども混じっています。
とんぼ玉とは
- 蜻蛉の目のようにキラキラしていることから、江戸時代中期に名付けられた名前で、中国でも蜻蛉玉といい、英語では「アイビース」または単に「ビーズ」、古いものはオールド・ビーズなどと呼ぶようです。
とんぼ玉の作り方
- 巻きつけ法
金属棒に剥離剤をつけ、細い棒状のガラスを火で溶かし、金属棒に巻きつけて玉にし、その上に色ガラスで文様を溶かし付けたり、あらかじめ作っておいたケーン(数種の色ガラスを伸ばしたり、捩じった細い棒)を巻きつけたりパーツ(千歳あめ状に作ったモザイクを埋め込んだりして文様を付けます。 - ロール法
板状に作ったモザイク文様の板ガラスを軟かく溶かし、円筒形に巻きつけて筒型のとんぼ玉をつくります。(ヴェネチェアのミルフィオリ等) - 鋳造法
熱いガラスを型に鋳造して作ります。または型の中に色ガラスの粉を充填して、型のまま加熱して作ります。(アフリカの再生玉など)
一般的には巻きつけ法で作られており、ガラスを溶かすのに、古くは炭火、現在では灯油バーナー、ガスバーナーを使います。ガラスの主成分は珪砂で、混合すると副材料で種類が分かれます。ソーダガラス(ソーダ灰)・鉛ガラス(鉛)・カリガラス(炭酸カリウム)・ケイ酸ガラス(楽砂)などがあり、とんぼ玉には、ソーダガラス・鉛ガラスが使われ、発色させるのに、金属酸化物を混入させて色を表現します。(金→赤、銀→黄、硫黄、銅→緑)
現代のとんぼ玉事例
- 10数年前からスタジオグラスと呼ばれる、吹きガラスの工房が各地で活躍し、パートドベール・ステンドグラス・バーナーワークなど各種ガラスが静かなブームとなっています。 現代人の好みの多様化、感性の昇華、個性を求める欲求が手作りの表情豊かなガラス製品を見直したいということではないでしょうか。その中で、とんぼ玉も一部の愛好家から広く多くの方が手軽に親しまれるようになってきました。とんぼ玉という言葉を知らなくても、気の効いたアクセサリーとして利用される方も多いことと思います。 今では、二次加工用ガラスとして既に着色されたガラス棒が国産・輸入品で売られており、都市ガス・プロパンガス用のバーナーも多種ありますので、手軽にバーナーワークによるとんぼ玉造りが楽しめます。 とんぼ玉のデザインに決まりはありません。しかも自分のデザインが非常に簡単に表現できます。ご自分のデザインで魅力的で独創的なとんぼ玉を作りませんか?