1.概 要
2007年度、玉野みなと芸術フェスタ実行委員会は、玉野市各地域(日比・宇野・山田・八浜など)を「地の歌」をキーワー ドに調査を行ってきました。
地の歌にはその土地の特質が反映されており、産業や地理、歴史等様々な要素により構築されています。 そして、地の歌の調査は、その地域で活動されている方々を知ることにも繋がります。各地域に自ら赴き調査を行うことで、宇野界隈だけでなく、 各地域、団体や人と結びつき、より大きな展開へと飛躍することができます。
調査地域の中から、今年は玉野の歴史と文化に深い影響を残した「山田地区」を選定し、【アートタウン山田 〜塩・まち・唄〜】を 開催したいと考えています。
2.山田地区及び芸術フェスタ2007のテーマについて
地の歌調査により、山田地区から「浜子唄」を発掘しました。「浜子」とは塩田労働者のことで、過酷な製塩作業の中で歌 われていた作業歌が浜子唄です。 かつて瀬戸内海には数多くの塩田がありました。玉野において、製塩業で最も繁栄したのが山田地区です。
その中でも有名な東野崎浜塩田は、 野崎武左衛門がこの地に創業した天保12年(1841年)から160有余年、製塩技術の改良を積み重ね、現在ナイカイ塩業株式会社として継承されています。 1800年代後半から1900年代初頭まで山田の地域は多くの人で賑わっていました。しかし、1900年代も半ばになると、塩の生産技術の革新や機械の導入により 少ない労力で製塩が可能となり、塩田労働者が町から消えていくとともに、山田地区は賑わいを失っていきました。
山田小学校に隣接する山田市民センターに「山田まちづくり講座」という山田地区の歴史、文化、地理などを調査し保存する団体があります。現在、築100 年を迎えようとしている「味野塩専売局山田出張所と文書庫」の保存活動を行っておられます。
今年の芸術フェスタは、上記のことを踏まえて「山田まちづくり講座」の活動と連携し、これまでの宇野港から山田港に場所を変え、明治の建物の再生と現 代アートへの活用を図りたいと考えています。 東野崎浜塩田の労働者として集まってきた人々が「山田」と言うまちを作り、労働者たち共通の地の歌「浜子唄」を連綿と歌い続けてきました。その唄を契 機として、塩の輸送に携わってきた港「山田港」界隈での芸術フェスタが開催できるようになりました。私達は、長い歴史を通じて実現することとなった今 年の「芸術フェスタ2007」のテーマは、【アートタウン山田 〜塩・まち・唄〜】が最も相応しいのではないかと考えました。
3.イベントの目的
近代の山田地区の繁栄と衰退は、「塩」と非常に深い関わりがあり、塩を通して社会と繋がっていたと言っても過言ではありません。 そのため、町と塩との関係が希薄となった現在、山田地区に対して外部の視線が注がれる機会は殆どありません。 しかし、「塩の文化」の痕跡は遺構となり、地区に点在しています。その遺構の一つである「味野専売局山田出張所」の一部と「文書庫」を美術展の空間と してリノベーションしていく形で後世に残すと言うだけでなく、他の地域にある同様のスポットへの可能性についても提案することが出来ます。
今年、玉野みなと芸術フェスタは、宇野港から一転山田港に場所を移し、「山田地区」において活動を展開しますが、今回の活動が一過性のイベントではな く、継続的かつ社会的価値のある展開を図ることにしたいと考えています。つまり実行委員会としては、イベント終了後も積極的に建物の運用に関わりを持 ち、山田地区での新たな観光スポットを創造していくためのきっかけとなるような展開を進めて行きたいと考えています。 来年2008年は、この建物の100周年記念を迎え、外部への宣伝効果も強くなります。そこで今年は、先ず地元の方々に山田の文化遺産の存在を理解して頂き、 来年は外部の人たちに向けての展開の第一歩となることを希望します。
4.イベント概要
| イベント名 | 出演・担 当 | 概 要 | 実施時期 | |
|---|---|---|---|---|
| @ | 公 募
〜写真コンテスト〜 | 玉野市民 芸術フェスタ実行委員会 | 山田地区のイイトコに関する写真を公募(100字以内の説明付)、 審査を行うと共に「しおさい」に展示公開する。 | 公募:9〜10月
公開:11/23〜25 |
| A | まなびピア2007協賛
〜トンボ玉体験教室〜 | トンボ玉クラブ | バーナーによるガラス工芸・トンボ玉の手づくり体験教室。 体験費500円 | 11/3 みやま公園 |
| B | ワークショップ 〜製塩土器で塩作り〜 | 十河
隆史(陶芸家) 芸術フェスタ実行委員会 | 十河
隆史(陶芸家) 芸術フェスタ実行委員会
塩作りのための製塩土器を制作、 その土器で塩を作り、山田の米のおにぎりを食べる。 | 土器作り:11/4 塩作り:11/23 |
| C | インスタレーション 〜味な専売公社〜 | 北野
静樹(染色作家) 森 美樹(ガラス作家) | 味野専売公社の木造の建物に溶け込んだ、 味のある現地制作展示を提案する。 | 11/17〜23
木造遺構部 |
| D | パネル座談会
〜テーマ「浜子唄の歴史とアート」〜 | パネラー;
清水 直人(ナビゲータ) 小野美智子(山田まちづくり) 他3名の予定 コーディネータ; 北野 静樹(染織作家) | 5名のパネラーとコーディネータが会場中央で行う円卓パネル座談会。 テーマは、地の歌"浜子唄"から見える山田地区における塩とまちの盛衰を踏まえ、アートによる歴史の掘り起こしと新たな文化の再生を考える。 | 11/23 しおさい広間 |
| E | 味なライブ 〜ジャズ&ポップス〜 | 恵子とメグモネ・ジャズトリオ | 歴史を感じる塩のまちのレトロな空間に、 爽やかトリオの楽しい音が躍動する。 | 11/23 しおさい広間 |
| F | ポエムライブ 〜「塩」の詩作と朗読〜 | みご なごみ(現代詩人) 清水 直人(現代美術家) | 「塩」をテーマにした詩を作り、詩の朗読とアートトークを楽しむ。 | 11/24
文書庫内&屋外 |
| G | 三味線ライブ 〜「浜子唄」〜 | 山田の三味線クラブ | 文書庫付近の空き地で、背景に塩に関するスポットの映像や塩田作業の挿絵のプロジェクションをしながらのライブ。 | 11/24
屋外 |
| H | クルーズ 〜海から 見る玉野&山田〜 | 山田まちづくり講座生
芸術フェスタ実行委員会 | 宇野と山田を船で繋ぎ、海から見る玉野を満喫する。途中、みかん狩り、ナイカイ塩業見学等を行い、フェスタの展示を見学する。 | 11/24or25
宇野港〜山田港 |
| I | パネル展 〜アートタウン山田 塩・まち・歌〜 | 芸術フェスタ実行委員会 | 駅東創庫のギャラリーMinatoで、「地の歌アート展 in 山田」のパネル展を開催。 | 12/2〜9
駅東創庫 |
5.イベントスケジュール・・・